グローバルにみた各国の貿易・物流ネットワーク
2016年DHLの報告書より(国別、都市別)
DHLが先日発表した「GCI」 "グローバルコネクションズインデックス”では、製品サービス、資本、情報、人に関して各国が世界とどれだけ広くネットワークがあるかを分析している。さらにそのネットワークの深さについても比較している。GCIによると、グローバリゼーションは前年度と比べて8%伸びているらしい。
GCI インデックスとは?
DHLは毎年Global Connnectedness Index (世界との繋がり・ネットワークインデックス)を発表。全世界140か国のグローバルネットワークを情報、地域から海外への貿易、資本、情報、人などの視点から世界全体の動きを分析調査する。項目ごとに0-100の数値で評価される。
この数値は各国の輸送、貿易などの人、もの、情報の流れを表し、また、内容の深さ、密度なども反映されている。そこで、今回は総合点でオランダが第一位となった。
世界のトップ10 グローバルコネクション インデックス
1. The Netherlands オランダ
2. Singapore シンガポール
3. Ireland アイルランド
4. Switzerland スイス
5. Luxembourg ルクセンブルク
6. Belgium ベルギー
7. Germany ドイツ
8. United Kingdom イギリス
9. Denmark デンマーク
10. United Arab Emirates アラブ首長国連邦
オランダがなぜ一位なのか?
オランダは、ヨーロッパ大陸のゲートウェイと称されヨーロッパ全体のハブとなっている。アムステルダム、もしくはヨーロッパ最大の港湾都市ロッテルダムに拠点を置く会社は、42時間以内に1億6千万人の消費者と繋がる事ができる。また、オランダは他国よりもディストリビューションセンターが多い事でも知られている。
GCI グローバリゼーション ホットスポット 2015ランキング
グローバリゼーションインデックスは、ホットスポットとして次の10都市を発表している。これらのランキングはマクロ分析、つまり貿易、資本、人、サービスなどにおいて最も密度の濃いネットワークがある都市という事だ。
グローバリゼーションのトップとしてシンガポールが第一位だか、あまり知られていないManamaとはバーレンの首都で100万人の人口にも満たない都市である。 半数は外国人、土地はシンガポールと変わらない広さである事、クロスボーダーの経済取引が高頻度で行われている注目の国である。
1. Singapore シンガポール
2. Manama マナマ(バーレン)
3. Hong Kong 香港
4. Dubai ドバイ
5. Amsterdam アムステルダム
6. Tallinn タリン
7. Dublin ダブリン
8. Geneva ジュネーブ
9. Abu Dhabi アブダビ
10. Skopje スコピエ
グローバルネットワークインデックス ネットワーク網の広さトップ10
こちらは広域(Breadth)に渡っての取引が頻繁に行われている国のトップ10。こちらではイギリスをはじめ、アメリカ、オランダ、日本も韓国に次いで5位である。
1. United Kingdom (0) イギリス
2. United States (0) アメリカ
3. Netherlands (0) オランダ
4. Korea, Republic (0) 韓国
5. Japan (+1) 日本
6. Switzerland (+2) スイス
7. France (-2) フランス
8. Germany (-1) ドイツ
9. Israel (+1) イスラエル
10. Australia (-1) オーストラリア
下記のそれぞれのカテゴリーでのランキングで、例えば旅行者が利用する国は、アジアはシンガポール、ヨーロッパはアムステルダムで第一位である。 また、インターネット通信量が最も多いのもオランダ。
アムステルダムが第一位になり、スキポール空港がヨーロッパのハブ空港、ロッテルダムにも船の大規模な物流センターや倉庫がある事、さらに税制面でもオランダに親会社を設立するなどをした国際租税法を利用した節税などが可能で、個人事業主から海外進出企業には英語も通じる事もあり、イギリスに次いで非常に魅力的な拠点である。
参考資料:DHL CGI report
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